基本情報
今回紹介する作品は「君に届け」です。

Introduction
陰気な容姿のせいで霊感があると恐れられ、「貞子」というあだながついている黒沼爽子。
周囲に避けられることに慣れてしまっていた爽子は、わけへだてなく接してくれる風早翔太に憧れている。自分を変えたいという爽子の背中を押してくれる風早や、矢野あやね、吉田千鶴、真田龍といったクラスメイトたちとの関わりの中で、爽子は少しずつだが自分の殻を破っていく。
ピュアな爽子が友情や恋、ライバルや友達の失恋などいろんな「初めて」を知っていく過程を、丁寧に描いていく学園青春ストーリー。
©椎名軽穂・集英社/「君に届け」製作委員会 公式サイトより引用
スタッフ
- 原作:椎名軽穂「君に届け」(集英社刊)
- 監督:鏑木ひろ
- アニメーション制作:Production I.G
キャスト
- 黒沼爽子 (CV:能登麻美子)
- 風早翔太 (CV:浪川大輔)
- 矢野あやね(CV:沢城みゆき)
- 吉田千鶴 (CV:三瓶由布子)
- 真田龍 (CV:中村悠一)
登場人物
黒沼爽子(CV:能登麻美子)
陰気な容姿であだ名は「貞子」。風早たちと仲良くなっていくことで徐々にクラスメイトとも打ち明けるようになっていく。非常に家庭的で良い子。

風早翔太(CV:浪川大輔)
爽やかで気さくで彼の周りにはいつもたくさんの人がいる学年の人気者。困っている人は放っておけない。満面の笑顔が特徴的である。

矢野あやね(CV:沢城みゆき) 写真の右
いつもクールでみんなのお姉さん的役割。恋愛、友人関係などは彼女に相談しておけばOK。高校生の割にはお化粧が濃く、年上の彼氏持ち。

吉田千鶴(CV:三瓶由布子) 写真の左
曲がったことが大嫌いな義理人情の塊である。サバサバした性格や喧嘩っ早い男勝りの性格。龍とは幼なじみである。

真田龍(CV:中村悠一) 写真の右
野球部に所属しており、翔太とは幼い頃から野球チームで同じだった。名前を覚えるのが非常に苦手でいつもボーっとしている。

感想1(このアニメの魅力とは?)
この作品を一言で表すと超ピュアピュアな王道恋愛アニメですね。地味な女子が学年のイケメンを好きになるという少女マンガ原作ならではの鉄板のお話です。この鉄板恋愛だけをずっとやられると流石にちょっときついですが、この作品はちゃんとコメディーの一面もあるんですよね。例えば、こういった卑屈な女子は千鶴やあやねみたいなウェイウェイ系の子にいじめられがちですが、この作品ではむしろ真逆で爽子の優しさや魅力を感じて仲良しになっていくんですよね。こういった友情の一面もこの作品ではたくさん堪能することができて、こんな友達欲しかったなってなると思いますね。他にも風早と担任のピン先生との絡みであったり、作画では登場人物の4枚目の写真の様なポップな絵のタッチに変わったりゲラゲラ笑えるとかではなくクスッと笑えて恋愛ベースの内容にちょっと一息入れてくれるような飽きさせない工夫を感じました。
肝心の恋愛のほうはもはや尊いです笑。すれ違ったり、ライバルができたり、三角関係になったり恋愛アニメらしさはもちろんのこと、流石少女漫画といった現実では到底恥ずかしくて言えないセリフであったり、言葉と言葉の静寂であったり、見ていてこそばゆいけれどその心地良さも同時に感じますね。そして、この作品をピュアピュアにしているのはヒロインの爽子と風早ですね。最初は暗かった爽子が徐々に打ち解けていって様々な表情(特に印象に残っているのは笑顔)を見せるようなるの対し、爽やかで有名な風早も爽子にしか見せないような表情(恥ずかしがってる顔や怒った顔)をするようになり、話的には風早が爽子を変えたって感じですが、私からするとお互いがお互いの新しい表情や気持ちを気づかせてくれたと思います。ぎこちなくて、会話もたどたどしいですが、それが二人の適切な距離感であって一つ一つの言葉からその言葉以上の思いを受け取れました。

感想2(2期の話&友人とライバルの重要性)
この作品は1期(2クール)2期(1クール)という構成になっていますが、2期の方はさらにすれ違いが加速していきます。ここのもどかしさは今まで見てきたアニメの中でトップクラスです笑。自分の気持ちをなかなか表現できない爽子はまだしも風早はなよなよすんなよって感じです笑。ここで活躍するのが友人やライバルたちなんですよね。爽子に対しては千鶴とあやねが自分の気持ちを伝えるように背中を押してあげていました。中でも千鶴が爽子に対して初めて叱るシーンなんかは爽子の決心を固めた大事なシーンでしたね。
そして、ここで初めて取り上げるライバルである胡桃沢梅(CV:平野綾)の存在が非常に大きかったです。彼女は風早と中学時代から一緒でずっと彼のことが好きだったんですよね。そんな彼女を差し置いて、どんどん距離を縮める爽子とや風早を見ていて面白いと感じるはずありません。そんな彼女は最初こそあまり好きなキャラではありませんでしたが自分の気持ちを伝えたあとはかなり印象が変わりました。ライバルとして友達として棘のある言い方ではありますが二人(爽子と風早)のお互いの気持ちを気づかせようとしていたのは彼女の立場や気持ちを考えると胸が痛くなりました。自分と好きな人が同じ人に対してこのようなことは自分は到底できないと思うと同時に二人の背中を見る胡桃沢を見て思わず1番感情移入してしまいました。この作品はやはり脇を固める個性が強い友人やライバルなくしてはここまで名作にならなかったと断言できます。

最後に
今回は「君に届け」について紹介していきました。原作は30巻(完結)で累計発行部数は驚異の3000万部超えで実写化もされています。アニメでは10巻まで描かれているそうなので、続きが気になる人は11巻から読んでみてください。声優も殿堂入りクラスの5名が主要キャストとして名を連ねています。特に爽子の声を演じる能登さんの声が最高に心地良いのでお楽しみに!

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