基本情報
今回紹介する作品は「響け!ユーフォニアム」です。

Introduction
高校1年生の春。中学時代に吹奏楽部だった黄前久美子は、クラスメイトの加藤葉月、川島緑輝とともに吹奏楽部の見学に行く。
そこで久美子は、かつての同級生・高坂麗奈の姿を見かける。葉月と緑輝は吹奏楽部への入部を決めたようだったが、まだ踏み切れない様子の久美子。思い出すのは、中学の吹奏楽コンクールでの麗奈との出来事だった。
吹奏楽部での活動を通じて見つけていく、かけがえのないものたち。これは、本気でぶつかる少女たちの、青春の物語。
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会 公式サイトより引用
スタッフ
- 原作:武田綾乃(宝島社文庫「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」)
- 監督:石原立也
- アニメーション制作:京都アニメーション
キャスト
- 黄前久美子(CV:黒沢ともよ)
- 加藤葉月 (CV:朝井彩加)
- 川島緑輝 (CV:豊田萌絵)
- 高坂麗奈 (CV:安済知佳)
登場人物
黄前久美子(CV:黒沢ともよ)
セーラ服に憧れて北宇治高校に入学する。特にこだわりはないが、高校でも吹奏楽部でユーフォニアムを担当することになる。流されやすい性格。思ったことをすぐに口に出してしまう癖がある。中学のコンクールで麗奈に言ってしまった一言をとても気にしている。

加藤葉月(CV:朝井彩加)
久美子の同級生。中学時代はテニス部で、楽器は初心者。トランペットに憧れて吹奏楽部に入るが、チューバを担当することになる。行動的で、明るく元気なムードメーカー。

川島緑輝(CV:豊田萌絵)
久美子の同級生。中学時代はお嬢様学校で、コントラバスを担当していた。楽しく楽器を続けたいという希望で高校でも吹奏楽に入部する。前向きな性格だが、名前のことを気にしている。

高坂麗奈(CV:安済知佳)
久美子と同じ中学の出身。プロである父親の影響で、幼い頃からトランペットを吹いている。高校でも吹奏楽部でトランペットを続けている。ストイックでクール。

感想1(演奏シーンについて)
やはり、この作品の一番目がいくのは演奏シーンですね。ここはとにかくこだわりがすごいです!さすが、京都アニメーションと言った感じで、指の細かいところまで本当に細かく滑らかに描いていました。友人に吹奏楽部がいて、彼もこの作品を見たと言っていたのですが、楽譜にメッセージを書いてお互いに励まし合っているところや演奏中に隣の人に目配せしているシーンや照明の明るさなど吹奏楽部だからこそわかることもあったと太鼓判を押していました。また、アニメでそこまで出てきていないキャラでさえ、演奏中はカメラワークで行ったり来たりしているので、たくさん出てきてメインキャラに遜色ないほど丁寧に描かれていました。そして、自分では気づかなかったのですが、他の人の感想なんかを読んでいると各キャラの体格や筋力量に合わせて息を吸うタイミングなんかも違っていたりなど、どんだけこだわってるんだよって感じです笑。最後に音楽初心者の私でも気づいたことなのですが、個人の上手さによって出す音色も違うんですよね。上手い人はより音が伸びていて、特に高音が出て目立つトランペットの差は一目瞭然って感じでした。他にも、最初の頃は吹奏楽部全体で演奏がバラバラだったのが段々と揃うようになったりと回が進むごとに演奏がまとまっていく感じなど一つ一つのシーンの完成度が他の作品より頭2つ3つ抜きに出ていると感じました。

感想2(内容やキャラクターについて)
このアニメの魅力は演奏シーンだけではありません。やはり、部活動というのは色んな感性をもった人が多数いてその中で一つの目標に向かっていくわけですから、当然部員同時の確執なんかは避けられません。女子が多い吹奏楽部ですからそれが特に顕著な気がします。一番印象に残っているのはオーディションですかね。3年生の先輩である香織先輩と1年の麗奈がソロパートをかけてのオーディションは痺れましたね。香織先輩が1,2年のころは北宇治の吹奏楽部は弱くオーディションもなく最高学年の人がソロパートを吹く決まりだったので、当時実力があった香織先輩はソロパートを吹くことができませんでした。なのでラストチャンスとしてソロパートに受かりたいという思いを彼女を慕う2年生の後輩も痛いほど知っていました。そんな気持ちなど到底知るはずもない超実力派で冷酷の麗奈VS香織先輩を指示する2年生のぶつかり合いは見ていてどちらの言い分もわかるな―と思いながら見ていて複雑な気持ちになりましたね。他にもこういった大人数いる部活動だからこそ起きるいざこざで生徒同士、時には、先生を交えてぶつかり合うシーンは胸にぐっと来るものがあると思います。
そして、この作品は主人公である久美子の成長の物語でもあります。中学時代に関東大会出場を逃し悔しがっている麗奈を見て無慈悲なことを言っていた久美子がなんとなくでやっていたユーフォニアムを様々な人と不器用ながら関わり、部員同士で本音の部分を見せることで少しずつ成長していき、吹奏楽部に対する熱もどんどん上がっていく姿は学生ならではだと思います。そして、それに呼応するかのように北宇治高校吹奏楽部が快進撃を見せていくのはやっぱり部活動っていいなーという感情や当時自分がこれくらいまで何かに努力すれば良かったと思う後悔や憧れといった見る人にとって様々な捉え方ができる作品だと感じました。

最後に
今回は「響け!ユーフォニアム」について紹介しました。アニメは1,2期と続いており、その後にも映画が2本続いています。そして、久美子が3年生編の制作も決定しているので、楽しみに待っていましょう!圧倒的な演奏シーンや大人数の部活動だからこそ起きるギスギスとした様子やそれを乗り越えて一つになることで一皮も二皮も成長していく北宇治高校吹奏楽部をぜひ御覧ください!
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