基本情報
今回私が紹介する作品は「心が叫びたがってるんだ。」です。

Introduction
幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。
そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。
高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。
担任の思惑によって、交流会の出し物はミュージカルに決定するが、クラスの誰も乗り気ではない様子。しかし拓実だけは、「もしかして歌いたかったりする?」と順の気持ちに気づいていたが、順は言い出せずにいた。
そして、だんまり女にミュージカルなんて出来るはずがないと、揉める仲間たち。自分のせいで揉めてしまう姿を見て順は思わず「わたしは歌うよ!」と声に出していた。
そして、発表会当日、
心に閉じ込めた“伝えたかった本当の気持ち”を
歌うと決めたはずの順だったが…。
© KOKOSAKE PROJECT 公式サイトより引用
スタッフ
- 原作:超平和バスターズ
- 監督:長井龍雪
- 脚本:岡田麿里
- キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀
- アニメーション制作会社:A-1 Pictures
キャスト
- 成瀬 順:水瀬いのり
- 坂上拓実:内山昂輝
- 仁藤菜月:雨宮天
- 田崎大樹:細谷佳正
登場人物
成瀬順(CV:水瀬いのり)
言葉は封印されていますが、歌でなら自分の思いを表現できる少女です。水瀬さんの言葉が出そうで出ない演技が本当に素晴らしく、頑張れと応援したくなる少女です。

坂上拓実(CV:内山昂輝)
あまり感情を出さず、クールですが、やる時はやる実行力のある男です。このすました感じでピアノもできる、モテ男の要素もありますね。

仁藤菜月(CV:雨宮天)
チア部の部長をしており、坂上とは中学時代の同級生です。ザ・優等生といった感じですが、彼女なりの悩みをかかえているそうで……。

田崎大樹(CV:細谷佳正)
怪我をしてやさぐれてしまった野球部の元エースです。怪我をしてしまった怒りを周りにぶつけたりと先輩だったら嫌なタイプです笑。

おすすめポイント
私におすすめポイントはこちらです!1つずつ紹介していきましょ~
- 言葉で伝えることの大切さ
- ミュージカルシーン
言葉で伝えることの大切さ!
この作品を見て、まず一番に感じたことは「言葉」で伝える大切さですね。私自身も友達や家族に言いたいことがあるけど、言えないということがよくありました。しかし、自分の中にこの気持ちを閉じ込めても、もやもやして良い気分にはなれません。そういった意味では順に対してはすごく共感できました。でも、順は話が進んでいくにつれて、ときにはお腹を痛くしながら、自分の思いを伝えて、彼女の周りの状況もそれに応えるようにどんどん良い方向に向かっていきます。そんな自分と重ねて見ていた順が殻を破って成長する姿を見て、自分も本当に言いたいことが言えるのではないかと自信や勇気のようなものが貰えました。今度は自分が殻を破って言葉で伝えようと思えるような背中を押して貰える作品です。
他の三人も同じことが言えます。三人ともそれぞれの悩みを抱えていますが、口には出していませんでした。しかし、順に感化されて、少しずつ自分たちが思っている感情を言葉にしていきます。ときにはぶつかり、ときには協力しながら成長していく、心苦しさを解放してくれるのはこういった青春なんだと改めて思いました。私はアニメを見るときに過去の自分と照らし合わせて見る傾向があるのでこういった青春群像劇がぶっ刺さりますね。
私は言葉で伝えることの大切さはもちろんですが、傷つけてしまう可能性もあると考えています。「言葉は刃物」という表現を聞きますが、その通りだと思います。あらすじにも書いてある通り、順の余計なひとことで家族はバラバラになっています。現実でも言葉によるいじめやパワハラなどもあります。言葉は良い方向や悪い方向にもなりえます。なので、そんな言葉の重みが軽くなりすぎている今だからこそ見るべき作品というアニメイトTVの織田さんの意見は本当にその通りだと思いました。

ミュージカルシーン
やはり、この作品で外せないのは、ミュージカルです。順が歌ならば、お腹が痛くならず、自分の気持ちを伝えることができるということで、地域ふれあい交流会でミュージカルをやります。物語も順が経験した辛い過去を題材として全員が一丸となって挑みます。まず、この歌うことなら自分の思いを伝えられるという設定が素晴らしいですね。日本人が海外の歌を聴いて楽しむように音楽は国境も関係なく感動を与えられると私は考えています。また、音楽は時に言葉を超える何かを持っているので、今回ミュージカルという形でそれぞれ思いを伝えるというのはすごく腑に落ちましたし、順のお母さんの心により響いているのも納得です。
※ここからはネタバレになるので、見てない人は飛ばしてください
物語が順の経験した辛い過去をベースにしているので、順のお母さんも当然順の過去ということがわかりました。何度も視線を下に向けて、苦しそうでした。そんな中でようやく順がやってきました。舞台でしゃべることができなくなってしまったヒロインの心の声として登場し、お母さんの隣を「みんな私の言葉を嫌ってるから」と歌って、通り過ぎるシーンはかなり好きでしたね。お母さんもその瞬間に涙を流しており、自分のせいだと認識したのだと思います。順が言った何気ない言葉で家族がバラバラになったように、順のお母さんがいった言葉で順を苦しめていたと感じ、「言葉」は老若男女関係なく、傷つけてしまうこともあると言葉のネガティブな要素をこのシーンで特に実感できました。
もう一つは最後の歌のところですね。ここでは全く違う曲調の歌を同時に歌うことで、人間の表の裏の感情を表現していると思いました。でも、この全く違う2つの歌が見事にマッチしているのを見て、どっちの感情もあっていいものだと正当化しているように感じました。

最後に
今回は「心が叫びたがってるんだ。」について紹介していきました。高校生らしいぶつかり合いや悩みなど、共感できるところもあると思います。そして、この作品を見終えたころには、言葉を伝える大切さというのが実感できるのではないでしょうか?超平和バスターズ原作のオリジナル作品の第二弾です。あの花や秩父が好きな方は特におすすめですよ!
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